羅生門(六日目)

本日は昼のみの公演。12:00からでした。
前回初日の帰りにチケを購入し、
座るは会場最後方、格安B席。


六日目、ヤスの演技は前回見たときよりも
板に付き、さらに安心と信頼をもって見る事が出来ました。
会場最後方だったので全体を俯瞰できる位置にいれたのですが、
ヤスは勿論のこと、舞台全体を楽しむ事が出来ました。
感想としては、前回よりも面白く感じれたと。
芥川龍之介の細かい話が次々に繋がっている構成なのですが、
その端々に前回は分らなかった様々なキーワードのようなパズルのような、
そういったものが徐々に解けてきている様に感じれました。
恐らく、次回行った時にはさらに面白く感じれるでしょう。
面白い舞台です。


あと気になったのは、平日昼という事もあってか
会場のお客さんの殆どは奥様方か初老の方で、
ヲタという雰囲気の方は殆ど、皆無と言っていい程見かけませんでした。
前回とは違い、この様な舞台鑑賞に手馴れた(と見える)方ばかりで、
まさしくこれが劇場というものの本来の姿なのかと
身構えておりましたが、
意外や意外、前回にはあまり起きなかった端々での
「笑い」が多くの場面で起こりました。
既に公演初日から数日が経ち、"分かってる"客がいくらかは
いた事は想像付きますが、しかし、ヲタではない
良質の(というイメージのある)一般の客層からこういったものが
起きるとは非常に意外で、そして一般の舞台とはいえ
このような見方も全然アリなのだと少々安心致しました。


とはいえ別にシリアスなシーンでは騒ぎ立てる輩もおらず、
客とはこうあるべきだというのを突きつけられた気がします。


ヤスの歌も、前回よりもいいものでした。
柔らかなメロディの上に乗る柔らかな声。
その時の役柄として、子守唄としてこれを
生まれたばかりの我が子に聞かせている場面なのですが、
その役を見事にこなし、一つの幕を締めるに相応しい
大きな山を作る事に成功しています。
素晴らしい。
そしてこの劇中歌。とてもいい歌です。
舞台の重要なところで必ずといっていい程歌われ、
そしてその幻想的な歌詞とメロディにより、
舞台の根幹を形成しています。
サントラとしてリリースして欲しいくらいです。
保田圭ソロは勿論の事、各所で歌われた様々なバージョンを交えて。


そういえば、このような重要な歌を、新曲としてつんく♂P以外の作家から
与えられたのは初めての事じゃないでしょうか。
別にその事自体に他意はないのですが、
いい歌と、それをより良い形へと育む機会に
巡り会えたと実感しています。
そしてヤスが歌うその歌を聴けると言う事の幸福。
筆舌に尽くし難いものがあります。


次回は未定。22日のチケットがあるのですが、
その前にもう一回見に行くかもしれません。